AMATA LIFE

人生をもっとAMATAに。

帰りの電車にて。

 

 

軽い残業を終え、

駅に着く頃には19時半を回っていた。

 

 

一日中ブルーライトを浴び続けた眼球が

ホッとしたのか、すこし視界がボヤける

 

 

今日は台風の影響もあって

朝の出勤は満員電車。

 

 

疲れはピークに達していた。

 

「帰ったら速攻で寝れるな、、」

 

 

 

深いため息とともに駅の改札をくぐる。

この時間帯なら、そんなに混まないから

それだけが唯一の救いだ。

 

 

 

電車の席はすでに埋まっていた。

まぁ、満員電車じゃないだけマシである。

 

 

網棚にカバンを置いて、つり革を掴む。

 

 

すると、斜め前のおばさんが、

俺の靴をコツコツと、おばさんの靴で付いてきた。

 

 

最初、「知り合いか?」と思ったけれど、

顔を見たら、全然知らない人である。

 

 

そして何やらこっちを睨んでいる。

 

 

(え、何?まじでなに?おれ足当たったか?)

 

 

自分の非を疑ったが、

斜め前にいるので足が当たることはない。

 

 

そうこうしていると、もう一回つついてきた。

そしてまた睨む。鬼の形相で。

 

 

(いやこわっ、、!なんやこいつ、、おれが何したって言うんや、、、)

 

 

原因を追求するため、周囲を見渡し、

もしかして女性専用車両に乗ってるのかと思ったけど、違う。

 

 

(何にキレてるんやこいつ、、)

 

 

頭を回転させていると、

 

 

 

 

「チッ....」

 

 

と、舌打ちをされた。

 

 

もうここまで来ると怒りとかじゃなくて怖い。

なんかもう台風の影響で頭が狂ってるんじゃないかこのおばさん、、とか考え出すとめっちゃ怖い。

 

次の瞬間、おれの命はないのかもしれない、、

 

という恐怖から、全然目的地でもなんでもない駅で降りるハメに。

 

 

 

 

でも本当に意味が分からず、

帰りの電車で原因をずっと考えた。

 

 

 

 

もしかすると、

 

あのおばさんは凄腕経営者で

 

 

 

 

おばさん(フン、、この子、きっと新人ね、、)

 

 

おばさん(あらヤダ!こんな安っぽい靴を履いて!)

 

おばさん(そんなんじゃ、出世なんてできないわよ、、)

 

 

コツコツッ

 

 

 

 

 

だったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

おばさん(靴よ、靴。アナタの靴。)

 

おばさん(何この子!?全然わかってないじゃない!)

 

おばさん(年商10億円の大企業を築き上げたこのワタシのアドバイスを無視するなんて、、日本はもう終わりね、、)

 

 

おばさん「チッ....」

 

 

 

 

 

だったのかもしれない。

 

 

 

 

あぁ、きっとあのおばさんは、

俺を助けるためだったんだなぁ

 

 

 

おばさんに感謝し、俺は新しい靴を買うことに決めた。

 

「あなたに認められるようなビジネスマンになります...」

 

そう願いを込めて...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んなわけねぇだろうが!!!

 

 

このクソババアあああああああああぁぁぁぁあああ!!!

 

 

むちゃくちゃムカついたわぁぁぁぁあ!!!!