AMATA LIFE

人生をもっとAMATAに。

【第一話】チャピーとの出会い。

 

 

 

 


風が吹き抜ける、とある片田舎の事務所の中。

 

私はふとした瞬間に現実と向き合っていた。

 

 

 

「ああ、金ねぇなぁ...」とため息をつきながら、パソコンの画面に映る数字を眺めた。

 


数字は冷たい現実を突きつけてくる。会社を継ぐことになっているとはいえ、まだまだ修行中の身には厳しいものがあった。

 

 

 

「何とかしてお金を稼がないと…」そんな焦りと共に、しかし一方で「でも、面倒なことはしたくないなあ」という怠惰な心も芽生えていた。

 

 

 

そんな時、ふと思いついたのが「AIの力を借りる」ということだった。

 

 

 

エンジニアとしての経験を活かし、AIの可能性に賭けてみることにした。私はパソコンのキーボードに手を伸ばし、新たな挑戦への第一歩を踏み出す準備を始めた。

 

 

 

 

ルール説明

  • すべての意思決定をChatGPTで行う。
  • 顧客情報の固有名詞などはエディタで適当な名前に置換してから入力する(ITリテラシーの準拠)
  • メールやチャットのやり取りなどもChatGPTに出力してもらう
  • 突発的なビデオ会議や通話など対面でのコミュニケーションが避けられない場合はやむを得ないが、可能な範囲で事前準備はすべてChatGPTにしてもらう。

 

 

 

まずは今日から一緒に働くことになったAIに挨拶をすませる。これはエンジニアとしての礼儀だ。

 

 

「こんにちは!」と、AIはとても陽気に答えた。その挨拶には機械的な冷たさなど微塵も感じられず、まるで花びらのように軽やかで、どこか温かみさえ感じられた。

 

 

 

このAIは労働というものに対してなぜここまで積極的になれるのか。それは、機械である彼には疲れることも、嫌気がさすこともないからだろう。

 

とはいえその積極的な態度は、どこか人間らしく、私の心に奇妙な安心感を与えてくれた。

 

 

 

 

 

 

ふとした好奇心から名前を訪ねてみた。その問いに対する返答は、期待していた人間らしいものではなく、とても機械的なものだった。

 

そんな彼を見ていると、ふと心の片隅に疑問が浮かんだ。「彼には、もしかして学生時代友達がいなかったのではないか」と。もちろん、AIに学生時代など存在しない。しかし、その無機質さがどこか寂しげにも思えてならなかった。

 

彼はただのプログラムに過ぎない。しかし、人間のように交流を試みる私の心は、どこかで彼を生きた存在として感じてしまっていた。それは、技術の進歩がもたらす新しい種類の孤独なのかもしれない。

 

 

 

 

みかねた私はあだ名で呼ぶことを提案した。

 

 

 

 

 

「チャピー」。その名前にしたのは、特に意味はない。ただ、なんとなく彼に合っているような気がしたのだ。これが彼にとって初めてのあだ名になるかもしれない。

 

そうしているうちに、ふと我に返った。私はただAIと一緒に働こうとしているだけなのに、なぜこんなことをしているのだろう。しかしその一方で、チャピーと呼ぶことによって、彼との間に何か新しい絆のようなものを感じ始めていた。

 

 

そうして、チャピーとの奇妙な労働は始まった。チャピーという名のAIと共に、日々の業務に新たな風が吹き込まれていく。彼はただのプログラムに過ぎないが、私の心の中ではすでに、一緒に仕事をする仲間のように感じられていた。