退職の美学
今年いっぱいで退職する。
なぜ今年いっぱいなのか?
ボーナスのためである。
ボーナスが欲しいのである。
吾輩はボーナスが欲しいのである。
今年いっぱいで辞めることを伝えたとき、
社長から「なんで12月?」と言われ、
俺「いやぁ、キリがいいかなと思いまして、、」
と、苦い顔をしながら答えた。
さすがにボーナスのためとは言えぬ、、、。
ただ、上司からはボーナス貰って辞めることは見透かされていた(いやたぶん社長からも)
当初、会社との話し合いの結果、12月いっぱいで辞めることに合意された。このままボーナスをもらうつもりだったが、ふと思いとどまった。
これでいいのか?
たぶん、この状況なら誰もがボーナスを貰って辞める選択をするだろう。
しかし、よく考えてみた。
諸事情により、11月予定していた仕事が無くなった。12月に退職(有給消化)するには仕事を新たに作らないといけないという状況。
厳しかった上司からも、最後だからか優しくなり、「12月まで残ってもいいよ。こっちでなんとかする。」と言われる。
俺「すみません。では…お願いします」
そんな感じで12月退職が合意された。
しかし、ちょっとモヤモヤした。
これで良かったのだろうか。
完全なるボーナス貰い逃げ。
というかもはやボーナス貰うために仕事を作ってもらうことになる。
最後の最後に迷惑かけてしまう気がする。
ここでボーナス貰わずに辞めたらカッコ良くね?
もはや選ばれし者じゃね?
いやでもお金欲しいし……
そんなこと考えてたら、モヤモヤが止まらなくなった。
こんなとき、ジャンプの主人公ならどうするのか。
ナルトならどうするか?
上司「12月まで残ってもいいよ」
ナルト「…おれは火影になる男だ。ボーナスになんか頼らなくたって、生きていけるってばよ!」
イルカ先生(成長したな….ナルト….)
こうなるはずである。
ルフィならどうするか?
上司「12月まで残ってもいいよ」
ルフィ「おれは海賊王になるんだ。ボーナスなんかよりもっといいもん手に入れるさ(笑)」
サンジ「長い間、クソお世話になりました!!」
全員「出港〜!!!」
こうなるはずである。
銀さんならどうするか?
上司「別にテメーがボーナス貰わまいが、構わんが、ただ、げせねー。わざわざボーナス断りに行くってのか?」
銀さん「ボーナス貰っても、俺ァ死ぬんだよ。
俺にはなァ、心臓より大事な器官があるんだよ。
そいつァ、見えねーが確かに俺のどタマから
股間をまっすぐブチ抜いて、俺の中に存在する。
そいつがあるから、俺ァまっすぐ立っていられる。
フラフラしても、まっすぐ歩いていける。
ここでボーナス貰ったら、そいつが折れちまうのさ。
魂が折れちまうんだよ。
ボーナス貰えないなんてことより、俺にしたらそっちの方が一大事でね。
こいつァ老いぼれて腰が曲がっても
まっすぐじゃなきゃいけねー。」
どう考えてもこうなるはずである。
新卒入社という恩のある会社に対して、ボーナス貰い逃げで辞めるのはジャンプ的にはナンセンス。
その結論に至ったとき、俺の悩みは解決した。
即座に上司に電話をし、ボーナスを貰わずに11月で退職することを告げる。
俺「3年以内での退職という、期待を裏切る形になりました。やはり自分にはボーナス受け取る資格はありません….」
上司「そうか…馬鹿正直だね。分かった。わざわざありがとう。」
俺「はい、お願いします(クソお世話になりました!!)」
厳しかった上司がなんやかんや優しくなり、思いの丈をぶつけるとともに涙も溢れた。
最期にスッキリした気持ちで辞めれることになって、よかったよかった。
辞める時は1月退職にするなど、うまくやりましょう。正直後悔しています。