甘田、会社辞めるってよ 【第一話】変化への扉
あれは台風が過ぎ去った、
ほどよく夜が涼しくなった時期のこと。
関東のとあるIT企業で、エンジニアとして働いている僕は、ここ最近、自分の現在の環境に、違和感を感じていた。
このままでいいのか?
僕の人生は、もっと面白くできないのか?
そんな、どこかの主人公が言ってそうな、そんなありきたりの言葉達が、脳内を走り回っていた。
9月のとある金曜日、会社の飲み会にて、
酔った勢いで上司に話した。
「転職してみたい気持ちがあります...」
これが、すべての始まりだった。
その上司も今の会社には転職してきた人だったためか、そんなに否定されることなく、
「まぁ、いろんな会社を見てみると良いよ」
と後押しをしてくれた。
それまで胸の奥にあった言葉にできない何かの絡まりが、勢いよくほどけていくのを感じた。
よし、転職しよう。
久しぶりに生き生きとした気持ちを取り戻したかもしれない。
その日、僕の転職への扉は開いたのである。
『第一話 変化への扉』
とある休日。
自宅でMacを開いた。
Google の検索フォームに、「転職」と入力する。
「いろんなサイトあるんだな、、、どれがいいんだ、、」
エンジニア転職サイトは
Green、wantedly、レバテックキャリア、、、
その他もろもろいっぱいあった。
とりあえず2,3個登録してみた。
でもスキル入力のフォームで、なにを書けば良いのか分からず、まっさらなプロフィールだけが完成してしまう。
就活もそうだったが、自分をアピールするのはとてつもなく苦手だ。自己PRなんぞ作った人間が憎い。
とりあえずは今の自分の状況を整理してみることにした。
- 転職の仕方がわからない
- そもそも内定が先?会社に辞表だすのが先?
- どんな会社が合ってるのかわからない
- SESで働いていたため、これと言ったアピールできる技術がわからない
- 職務経歴書?履歴書と何が違うん?
- 「○○の経験があるので、御社に貢献できます」みたいなのほとんど無くね?やばくね?
現状は極めて困難といえるだろう...
コロナの影響もあって苦労しそうだ。
自分の状況を眺めていたら、軽く目眩に襲われた。
「転職なんて、できるのだろうか....」
開かれた扉の向こうに待っていたのは、
深淵な暗闇だった。
はたして転職は成功するのか?
この物語は、とあるしがないサラリーマンの人生を変える、転職成功への完全ドキュメンタリーである。
続く。