デスノート作戦
これは、男の禁断の作戦である。心して読んでほしい。
昔、ある童貞が居た。童貞は、恋をしていた。
アルバイト先の後輩の女の子。童貞は、毎日彼女の事を考えていた。
他の男と親しげに話している彼女を見ると、胸が痛むのであった。
彼女からのLINEが来ては喜び、LINEが来ないとソワソワして落ち着かない。完全に自分を見失っていた。
Twitterでいいねがついた通知を、ニヤニヤと見ていたこともあった。
彼女は、俺のことをどう思っているのか?
ある日、2人で食事に行った帰りに、男は告白した。自分の想いを真剣に伝えた。告白のセリフだって、これでもかと考え抜いた。これで彼女はきっと振り向いてくれるだろうと思った。
しかし、童貞は振られた。
彼女は童貞のことを、1ミリも男として見ていなかった。ただのアルバイト先の優しい先輩。それ以下でもそれ以上でもなかったのだ。
それでも童貞は諦めなかった。
嫌われないように機嫌をとり、女の都合を優先して遊ぶ予定をたてる。
すべては彼女の為。
嫌われないように、好かれるように、毎日それだけを思って行動した。
だが、結果は見事に惨敗。
向こうから好意を匂わせてくることはないし、
LINEも全然返してくれない。
童貞は、ふと振られた時に言われた言葉を思い出したのだった。
「ーーーーいい人だと思ってるんだけど」
目覚めると、目の前に死神が居た。
「お前は、、、リュ○ク!」
「いや、俺はリュ○クではない。恋愛の死神、ラブュークだ。」
「いや、もーちょい良い名前無かったんか」
突如現れた死神。
某殺人ノート漫画のアイツに似ていた。
「童貞よ、あの子と付き合いたいか?」
「え?うーん、まぁもう無理っぽいしなぁ、、」
「ククク…振られるのが怖いか?」
不敵な笑みを浮かべた死神は、懐から黒いノートを取り出した。
「このノートに書かれた作戦を実行した人間は…死ぬ!」
「ええ!?ダメじゃん!」
「いや、生物的には死なない、倫理的に死ぬ。」
「おぅふ、、いったいどんな作戦だってんだ、、、」
死神はノートを広げた。
デスノート作戦 概要
- この作戦を実行した人間は、倫理的に死ぬ。稀に、社会的に死ぬ。
- この作戦を実行する人間は、全ての秘密を墓場まで持っていく覚悟を持たなければならない。
- この作戦を一度でも実行した人間は、天国にも地獄にも行けない。
- 付き合いたい女Aを決める
- 付き合いたい女A以外と親しくなり、付き合いたい女以外の女Bに恋をする。このとき、女Aにバレなければ女Bと付き合っても良い。
- その状態で当初付き合いたかった女Aにアプローチをかける。
- 女Aと付き合えたら女Bの事を忘れる努力をする。
- 女Aの事を好きだったときの記憶を取り戻す。
「これは…」
「どうだ?この作戦なら、お前が大好きなあの子の前でキョドったり、機嫌を伺ったりせず、余裕をもって男らしくいれるだろう?」
どんなにいい人になっても、どうせ付き合えないんだ。
世の中腐ってる。
できるんだ、この作戦があれば…
問題は… 精神力…。
耐えられるか?
やめるか?
いや、やめちゃ駄目だ。
精神や命を犠牲にしてでも。
このままじゃいけないんだ。
僕にならできる…
いや、僕にしかできないんだ!
やろう!
「デスノート作戦で、人生を変えてやる!」
意を結した童貞。
果たして彼は、大好きなあの子と付き合えるのか?
続く(?)