妥当な人間くん③
※以下、SNSで出会った女の人を「ななせさん(仮名)」としておきます、、。
ドアを開けた瞬間、みんなの視線が集まる。
人見知りの人にとっては、辛い、、。
奥側と手前側、それぞれのテーブルがあり、手前側に座っている人達に軽く会釈をした。
部屋では洋楽が流れていて、
白を基調とした、オシャレなインテリアに統一されていた。
「飲み物何がいい?」
ガタイの良い、たぶんサーフィンとかしてそうな人がニコニコしながら喋りかけてきた。
「じゃあ、お茶で」
お茶をもらったあと、ななせさんとその男は、かなり仲が良さそうに喋っていた。
あの人がななせさんの親友か、、
2人が喋る雰囲気から、なんとなくそんな感じだろうというのが分かった。
知らない人が多すぎて、誰から話しかけていいか分からなかった。
ななせさんに誘導されるがままに手前側のテーブルへと座った。料理の準備は完了していた。
僕の隣にななせさん、その隣にはサーフィン男が座った。
「いただきま〜す!」
料理を取り分けて食べたり、写真を撮ったり、
みんな各々にパーティを楽しみ始めた。
(う〜んいまいち何喋っていいか分からんな〜、、てかサーフィン男の名前さっき聞いたけどなんだっけ?あれ?なんだっけ?)
慣れないパーティに焦りすぎて相手の名前を忘れてしまうというなかなかのアクシデントもあり、
コミュ障は加速していった。
私はこれを、「名前忘れてコミュ症候群」と呼んでいる。
それはどうでもいいか。
まぁでもさすがの主催者(サーフィン男)、みんなが楽しめるよう
かなり話題を振ってくれていた。
何人かと喋り、交友もいい感じに深まったところで、パーティはお開きになった。
また遊びに行こうという約束をし、
帰路につく。
(あー、なんかわりと楽しかったなー)
電車に揺られながら、そんなことを考えていた。
『奴ら』の計画が、すでに進行していたことも知らずに...
(続く)